頭の中で音楽が鳴り終わらない、永遠の余韻を残す作品になった…★劇評★【ミュージカル=四月は君の嘘(小関裕太・生田絵梨花・寺西拓人・唯月ふうか・松浦歩夢出演回)(2022)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
 音楽を禁じられた音楽の天才を描く舞台「無伴奏ソナタ」や、モーツァルトの頭の中に居る「才能」としての神童ヴォルフガングとの葛藤を描いたミュージカル「モーツァルト!」など、音楽をめぐる名作演劇はあまた存在するが、高校生たちの淡い純愛の中に音楽への果てしなき追求の道を描いたミュージカル「四月の君の嘘」は、青春の中で響く音楽の意味合いや、生きることの意味としての音楽の位置など、異彩を放つテーマを美しくさわやかなメロディーに乗せながら問い掛けていく上質な音楽舞台。見終わった後も頭の中で音楽が鳴り終わらない、永遠の余韻を残す作品になった。作詞・作曲はフランク・ワイルドホーンで、演出は上田一豪。(
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