問われるのは勇猛さよりも王の決断力と人間の器。王という役を宿命づけられた浦井健治の覚悟とすごみ…★劇評★【ミュージカル=キングアーサー(浦井健治・加藤和樹・石川禅・安蘭けい・太田基裕・小南満佑子出演回)|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
 シュイスクピアが生み出した数々の史劇(歴史劇)をはじめ、ヨーロッパには歴史的に優れた王や愚かな王の物語があちらこちらに存在する。たいていは王の覇権や権威、国の興亡、戦いのシーンなど勇壮な物語が中心で、やはり権力と闘いのパワーゲームを描いた作品がほとんどだ。ところが、5世紀にサクソン人の侵攻を打ち破り、英国がヨーロッパで台頭するきっかけを作ったアーサー王の伝説をもとにしたミュージカル「キングアーサー」は、そういう戦いの要素はもちろんたくさん盛り込まれているが、他の英雄王ものでは決してお目にかかることができないような恋愛の形や人間関係、負の感情などが登場。物語の展開を王の絶対的な勇猛さや
note.com