喪失感の痛切さと激烈さが身に染みる…★追悼★【Focus=三浦春馬と3つの舞台 -批評家が見つめてきた魂の輝き-(2020)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
 「心の中を嵐が吹き荒れているようで、言葉が見つからない」。これは大竹しのぶがInstagramの中で紹介した英国人演出家、フィリップ・ブリーンの嘆きの言葉だ。ブリーンの演出、大竹の主演の舞台である2015年の「地獄のオルフェウス」で演技を覚醒させた三浦春馬は、いまはもういない。日本で上演するかなり前からこの舞台の情報発信などのお手伝いをしていた私は書面インタビューなどを通じて、ブリーンがどれほど三浦に期待を抱いていたかを知っている。そしてその期待は「地獄のオルフェウス」の上演によって「確信」に変わり、2019年の三浦主演舞台「罪と罰」での強力なタッグへとつながっていった。だからこそ冒
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