日本の家族と戸籍: なぜ「夫婦と未婚の子」単位なのか
戦後、家族単位(=「夫婦と未婚の子」)の戸籍制度が成立し、人びとは今もなお戸籍の制度と意識に振り回され続けている。制度導入に関わった法学者や法務官僚の「回顧談」、新聞の「身の上相談」の記事を通して、戸籍と家族から日本社会を再考する。 【本書第1章より】 日本では明治以来、戸籍が親族単位で編製されてきたが、筆者はこの親族単位の戸籍が日本の家族のあり方の基底をなしてきた、と考えている。つまり、民法(家族法)と戸籍法が一体的に運用される仕組みのもと、事実上、親族単位の戸籍が日本社会における家族のあるべき姿を作り上げてきた、という見方である。そしてそれが、現代の家族が抱える問題...
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