誰も見たことのない衝撃的な熱を帯びる作品に。堤真一だけでなく森田剛と西野七瀬の熱演際立つ仕上がり…★劇評★【舞台=みんな我が子 -All My Sons-(2022)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
 この「みんな我が子」という作品ほど、観始めたころと観終わる直前で登場人物に対するまなざしの範囲が狭まり、その深度が深まっていく演劇作品もないだろう。そして逆にテーマの社会性は、のどかな家族の風景から果てしなく大きなものへと広がっていく。それらを導いたであろう、アーサー・ミラーの構成力の見事さと、70年以上経っても色あせない言葉の選択のセンスにはつくづく驚嘆させられる。そして、外づらの良さから人間的な信頼感を一手に受けていた男が徐々に崩壊していく様を鮮やかに描き出した堤真一の揺るぎのない演技と、一人の人間の中におびえからはじらい、優しさ、抑えられない怒りなどさまざまな感情を巧みに表現し
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