カクリヨの短い歌3
和歌の世界で交錯しあう複雑な人間模様――。 「梅は咲いたか、桜はまだかいな……」 春風に漂う白檀の香りを味わうように目を閉じ、真晴は笑った。 どこか血の臭いが似合うような、凄惨な笑みだった。 「待ちに待った季節。せいぜい艶やかに咲いて、気が…
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