劇団のスタイル決定づけたiakuの「流れんな」。広島弁での再演で登場人物たちの焦燥感と作品の温度がアップ…★劇評★【舞台=流れんな(2024)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
 小劇場系の劇団が初めて自主公演のために書き下ろした作品は劇団にとって思い出深いものだが、それがその劇団のその後の作風や方向性を決めるものになっていたとしたら、その思いはとりわけ格別のものがある。今年1月に発表された第27回鶴屋南北戯曲賞を昨年上演した「モモンバのくくり罠」で受賞した劇作家・演出家の横山拓也が率いる「iaku」にとって、2014年に初演した「流れんな」という作品がまさにそうだ。レパートリー公演の初演のほとんどが他団体の主催公演での上演であることが多かった初期のiakuが初めてiaku公演に書き下ろし、社会的な題材を散りばめながら議論を喚起する圧倒的な会話劇というiaku
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