怒らない冬休みをつくる、宝石採集|三條 凛花
ゲームのBGMが大音量でリビングを揺らす。わたしは顔をしかめながらも、ひと呼吸置いて、背伸びをした。 棚の高いところからてんとう虫の形の缶を取り出す。 中にはぎっしりキラキラが詰まっている。 ここで深呼吸を3回。 表情と声色を変えなくては。 「宝石集めやりまーす」 そう言うと、ゲームをしていた息子が振り返り、床にあれこれ出して真ん中にぺたりと座って工作をしていた娘が顔を上げた。 ふたりとも立ち上がって近づいてくる。 てんとう虫の缶を、彼らの手の届かない高さまでさっと持ち上げた。 「やらなくちゃいけないこと、お手伝い、あとは工作とかおえかきみたいなことね、なにかを
note.com