世界の作り方/永野希
子供の頃、戦争を取り扱った作品や実際の記録に触れ、こんなに悲惨なことが起きたのだから、この先はもうこんな事は決して起こらないだろうと思っていました。未来には人々の生活や環境が豊かになり、今は大変な思いをしている人も、誰もが幸せな暮らしを送れるものだと思っていました。力を持った偉い人は、そうでない普通に生きてゆく大勢の人々の幸せのために、誰もが頑張ってくれるものだと思っていました。どんなに人為的に信じられないような事が起こされたとしても、子供の頃からのこの願いは手放すことができません。もし、今の世界が誰かの思惑や願い、そして想像でできているのだとしたら、非力な私はまた、己の信じる世界を地道に描き...
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