人生で初めて感じるような感情と出会わせてくれる稀有な作品…★劇評★【ミュージカル=ラブ・レター(2022)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
言葉とは不思議なもので、「言霊(ことだま)」という深遠な考え方を持ち出さなくても、言葉そのもの自体に強い力を宿している。複数の意味を持って誰かに伝わることもあるし、時を経て意味が変化することもある。その言葉を受け取る人の数だけ意味があると言っても過言ではない。それが手紙なら、言葉の集合体だから、なおさらだ。浅田次郎の小説「ラブ・レター」を原作に音楽座ミュージカルが舞台化した音楽座ミュージカル「ラブ・レター」は、そんな言葉の力をまざまざと私たちに見せつけてくれる。一つの言葉は、その人の今日を、明日を、そして時には過去までも変えてしまう力を持っているのだ。浅田のストーリーテリングの素晴ら
note.com