隔靴掻痒の感を免れ得なかった玉木正之氏の連載「アートオブベースボール十選」|鈴村裕輔
去る2月16日(火)から3月1日(月)まで、日本経済新聞の朝刊の「美の十選」欄では、10回にわたり「アートオブベースボール十選」が掲載されました。執筆を担当したのは評論家の玉木正之さんでした。 「美の十選」では毎回話題を定めて特集が組まれていますから、野球が取り上げられたことは意義深いことであるばかりでなく、10回の連載を満足させるだけの野球にまつわる美術品があることを推察させます。 今回の連載では、従来の「美の十選」に比べ、作品そのものの来歴や特徴の分析、あるいは作品の鑑賞が必ずしも十分ではなく、作者についてもほとんど検討が加えられていないという点に特色が認められました。 実際
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