茜さん!婚活スパイラル|玉置ゆう
1.  茜さん、決意する  自分はごく普通の平凡な人生を歩む。    若い頃の曳馬茜(ひくまあかね)は一点の曇りもなく、そう信じていた。成績も中の中、悪目立ちもその逆もなく、無難な青春時代だった。  就職活動もそれなりに乗り切って、遅くも早くもない年齢で結婚をした、一回は。 「曳馬様、婚活をする際に特にバツイチという経歴に引け目を感じることはありませんよ」  厳重に他人との接触がはばかられた個室重視のオフィスで、茜はやや気後れしながら完璧なスタイル、完璧なメイクをした女性スタッフの面接を受けている。 「ただ、四十という年齢は男性にはやや厳しく映ることもあるようです。特にこう言っ
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