洋の東西を問わない人間の愚かさと、それでも感じざるを得ない愛おしさを物語の中に織り込んで、人の営みの深淵を見せつけてくれる…★劇評★【音楽劇=天保十二年のシェイクスピア(2024)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
 下総での侠客同士の勢力争いをベースに小説、講談、浪曲、歌舞伎と展開した日本人が大好きな物語「天保水滸伝」をベースに、現代に名を遺す稀代の戯作者、井上ひさしが、欧米演劇のルーツのひとつであるシェイクスピア戯曲のせりふやストーリー、要素を遊び心たっぷりに取り込んだ舞台「天保十二年のシェイクスピア」が、若き俊英、藤田俊太郎の演出によって新しく生まれ変わってから4年。待望の再演で、あらためて私たちの胸に迫ったのは、そのあくなきサービス精神と知的探求心の奥深さ。戯曲、音楽、演出、役者の演技が一体となって、洋の東西を問わない人間の愚かさと、それでも感じざるを得ない愛おしさを物語の中に織り込んで、
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