『講和の旗が翻るとき』|Jin Tonic
📘 序章「敗戦なき国」 昭和二十年八月十五日――正午。 天皇陛下の玉音放送は、予定されていた。 だが、起こらなかった。 理由は、**「講和交渉が進行中であることを考慮し、放送を延期する」**という決定が、内閣の非常動議により下されたためだった。 米英中ソと日本との間で、スイスを仲介にした講和交渉が進行しつつあったことは、事実だった。 結果的に、**“ポツダム宣言の一部受諾による休戦”**という形で、昭和二十年九月、日本は正式に「戦闘行為の停止」と「占領回避」を実現した。 歴史に記された言葉は、こうだった。 > 「大東亜戦争は、講和の成立に
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