【掌編小説】優しい雨|元宝 (一分間で学ぶ 成功者の教え)
朝から細かな雨が降っていた。窓ガラスを伝う雨粒を眺めながら、私は少しだけため息をつく。梅雨が来たのだ。今年もまた、傘を持ち歩き、濡れた靴を乾かし、洗濯物の行き場に困る季節が始まった。 カレンダーを見ると六月。年が明けて半年、新年度が始まって三か月が過ぎていた。 「もう半年か」思わず口から漏れた言葉に、自分で少し驚く。今年こそはあれをやろう、これも始めようと思っていたのに、気がつけば毎日に追われていた。新しい時代だ、変化の時代だと聞くたびに、何かに遅れてはいけないような気持ちになり、知らず知らずのうちに心まで早足になっていたのかもしれない。そんなことを考えながら家を出る。 駅
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