高畑充希の魂をふるわせる演技と歌声。クリエイターらとの総合力が代表作を誕生させた…★劇評★【舞台=宝飾時計(2023)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
俳優には「出会うべくして出会う」作品がある。たとえ演じるキャラクターが自分に似ていても似ていなくても、それまでのイメージをぶち壊すような役柄でなくても、その俳優にとっては、それ以前とそれ以後に分けられるような作品に出会う時がある。高畑充希にとって、舞台「宝飾時計」がそんな作品であるのは、憧れの作家である演出家・劇作家の根本宗子のオリジナルの新作だからであり、子役時代からもがき続けてきた女優が30歳にたどり着いた時に過去と現在と未来がめぐりあったような不思議な空間の中でもう一度自分を見つめなおすというストーリーの中で、高畑自身も自らに向き合い直さざるを得ない作品だからである。若いころか
note.com