【舞台/MUSICAL=CALL(2020)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
 東宝が直営劇場のシアタークリエをラボ(実験室)に見立て、新作のオリジナルミュージカルを創る全く新しいプロジェクトとして始動させた「TOHO MUSICAL LAB.」で披露された2本のミュージカルはいずれも日本の若手演劇クリエイターが着実に育っていることを証明する結果になったと言っていいだろう。いずれも着眼点が見事で、今この瞬間に上演すべき理由もその中に潜ませてある。そんな中で、三浦直之作・演出のミュージカル「CALL」は音と距離と記憶についての哲学的な考察を詩情あふれるドラマの中に溶かし込んだ逸品。4人の俳優たちのキャラクターづくりのうまさも目立ち、生配信のインターネット空間の向こ
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