セミドキュメンタリーのような作品。それぞれの人物が陥ってしまった隘路の中で、自分自身と向き合うことで突破口を見いだしていく様はいたたまれないほど美しい…★劇評★【舞台=ハザカイキ(2024)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
不寛容でサディスティックな今という時代をどうしようもないほど容赦なく露骨に描いているのに、ひりひりとした感触のその向こう側にある何ものをも超越した境地が垣間見える空恐ろしい作品だ。大昔から何でもありの世界だった芸能界、生き馬の目を抜くリアルな戦場にいま新たな主役としてワガモノ顔で登場してきたのが匿名という不気味な仮面をかぶったネット民たち。推しにエールを送る純粋なファンたちでも、したり顔で才能や人柄を揶揄する評論家気取りのマニアでもない。ある種無責任さと残酷さが武器の彼らに芸能界は振り回され続けているのだ。乱交パーティーの一夜を、じりじりした男と女の人間関係にフォーカスしながら赤裸々
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