暗黒公使
<内容紹介> 大正九年二月二十八日の午後零時半頃のこと。パリに住む元・警視庁捜査一課長の狭山九郎太の家に一人の不思議な青年が訪ねてきた。 「ジョージ・クレイ」と名乗る彼は、一昨年十月の新聞に掲載した狭山の助手の募集広告を手に、助手として雇ってもらいたいのだという。雇ってもらうために有機化学を独学で勉強した彼が、一番興味を持ったのが毒物だということも狭山の関心を引いた。それもわずかしか発行していない狭山の著書「毒物研究」によってというのだ。 身寄りもなく住む家もないジョージは、それまで所属していた「バー...
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