三好達治と立原道造の見えていた世界 : 古今東西歴史音楽文学そぞろ歩き(タダタケもしくは多田武彦)
まずは達治。「郷愁」 三好達治 蝶のやうな私の郷愁!……。蝶はいくつか籬(まがき)を越え、午後の街角に海を見る……。私は壁に海を聽く……。私は本を閉ぢる。私は壁に凭れる。隣りの部屋で二時が打つ。「海、遠い海よ! と私は紙にしたためる。――海よ、僕ら
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