想像力によって、物語は大きくうねり、世界を変えかねないパワーを生み出している。村上春樹文学の有機的なきずな舞台に…★劇評★【舞台=ねじまき鳥クロニクル(大貫勇輔出演回)(2023)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
村上春樹文学の中でも最大級の謎を秘め、その謎が次々とイメージのスパークを起こしていく最高傑作のひとつをイスラエルのクリエイター、インパル・ピントとアミール・クリガーが舞台の上に具現化した「ねじまき鳥クロニクル」。2020年の公演は、新型コロナウイルスの感染拡大の時期と重なったために、公演中止の回が出るなど大きな犠牲を払ったが、主演の成河・渡辺大知をはじめ、再登板の充実した面々と新たな才能によって、再演が行われている。原作にあくまでも忠実でありながら、それぞれのクリエイターが持つ想像力によって、物語は大きくうねり、世界を変えかねないパワーを表出。ピンターとクリガ―は村上春樹文学の有機的
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