【掌編小説】「おはよう」のその先にある宝物|元宝 (一分間で学ぶ 成功者の教え)
朝の空気は、少しだけ背筋を伸ばしてくれる。 いつもの散歩コース、曲がり角を過ぎた先にある小さな公園が、私の定位置だ。ベンチに腰を下ろし、水筒の白湯で喉を潤す。それが、私の「一日」を起動させるための儀式のようなものだった。 数ヶ月前、その静寂に小さな風穴が開いた。 「おはようございます!」 元気な声に驚いて顔を上げると、紺色の制服を着た中学生が一人、私の前を通り過ぎるところだった。寝癖が少しだけ跳ねている、どこにでもいそうな素直そうな少年だ。 正直に白状すると、私はその時、とても驚いた。 今の時代、見知らぬ大人に自分から挨拶をする中学生なんて、ツチノコを探すより難しいと思ってい
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