【掌編小説】夜の交差点|元宝 (一分間で学ぶ 成功者の教え)
夜の帳が下り、街が「昼の顔」をクローゼットに仕舞い込む頃、私のもう一つの時間が始まる。 夜の散歩は、思考のデフラグだ。朝の散歩が「一日の準備」だとしたら、夜のそれは、散らかった脳内のキャッシュを削除し、静かな月光というフィルターで世界を再構築する作業に近い。 アスファルトにうつる自分の影を引き連れて歩くと、月明かりが妙に優しいことに気づく。太陽のような強引な明るさではなく、「そこにいてもいいよ」と全肯定してくれるような、淡いブルーのライティング。この光の下では、昼間はトゲトゲしていた悩み事も、角の取れた小石のように丸くなっていく。 駅から少し離れた交差点に立つ。ここが私の「定点観
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