【掌編小説】蛙の神託|元宝 (一分間で学ぶ 成功者の教え)
オフィス街の昼下がり。ビルの隙間を縫うように吹き抜ける風には、湿り気を帯びた都会特有の匂いが混じっている。デスクに置かれたスマートフォンの画面が、午後一時を告げた。 私は、冷めきったコーヒーを一口啜り、同僚たちの目を盗んで引き出しの奥から一冊の古いノートを取り出す。それは、かつて一部の愛好家の間で「聖書」と呼ばれたロト6の攻略法により実践してきたものだ。 世の中には、ロト6の攻略法というものが腐るほど溢れている。その多くは、失笑を禁じ得ないほど稚拙なものだったりする。例えば、ランダムな数字が並んだ乱数表の上に、6つの穴を開けた厚紙をあてて、その穴から見えた数字が当選数字であるとい
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