2025年新春特別対談 植松三十里×原口 泉――日本初の大土木事業“安積疏水開拓”とは――|集英社文庫
江口 新年明けましておめでとうございます。集英社文庫編集部の江口です。昨2024年末に、植松三十里さんの書き下ろし新作『侍たちの沃野 大久保利通最後の夢』を刊行いたしました。本書の核にあるのは、機微豊かな登場人物たちの人間ドラマですが、それと共に、「安積疏水」という歴史的なプロジェクトそのものでもあります。前提として、いまでいう福島県中通りに位置する安積原野の開墾事業のため、明治新政府は戊辰戦争以降に没落していた士族たちを「士族授産」という名目で入植させていきました。安積疏水という近代日本初の巨大土木事業は、その地へ猪苗代湖から水を引いて豊かな土地に変えていく、国家予算の3分の1の規模
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