乙が森/花尻の森 | 日本伝承大鑑
【おつがもり/はなじりのもり】大原の里に残る、一人の女性の悲しい伝説がある。大原の里を縦断する幹線道路は、近年“鯖街道”と呼ばれ、若狭と京都を結ぶ往還であった。ある時、大原に住むお通という娘が、この往還を利用する若狭の殿様に見初められた。玉の輿となったお通は、殿様と共に若狭へ下った。ところがしばらくすると、お通は病を得て、殿様の寵愛を失ってしまう。そればかりか、暇を出されて大原の里に帰されてしまったのである。悲観したお通は大原川の女郎淵に身投げし、ついにはその妄執
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