【掌編小説】鏡の中の角 ~鬼は存在するのか?|元宝 (一分間で学ぶ 成功者の教え)
映画館の余韻は、冬の夜気によく似ている。冷たくて、どこか寂しい。 世界的なヒットを記録した『鬼滅の刃』を観終えた後、私は夜の街を歩いていた。スクリーンの中で繰り広げられた人と鬼との凄絶な死闘。それは単なるフィクションとして消費されるには、あまりにも切実な熱を帯びていた。 ふと、故郷の秋田で見た「なまはげ」を思い出す。「泣く子はいねが」という咆哮とともに、藁を散らしながら家々に踏み込んでくるあの異形の存在。大人は子供に対し、「悪いことをすると鬼が来るぞ」と説く。それは、共同体の規律を守るための教育的な装置、あるいは道徳を象徴する寓話として、何世代にもわたり語り継がれてきた。 だが、
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