人間としての確かな温もりと幸福感がこの劇場の中にはあふれている…★劇評★【舞台=ベイジルタウンの女神(2020)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
東京公演中にイベント収容人数制限が緩和され、劇場の収容人数の50%から80%まで観客を増やすことができたケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の新作舞台「ベイジルタウンの女神」。徐々にではあるが舞台に日常が戻りつつある中、それでも観客たちはさまざまな不安やストレスと闘っている。それらをこの作品は癒し、不安の種をひとつひとつ取り除いてくれる。貧富の差や人間の尊厳、時間と記憶といった重厚なテーマが息づく中でも、登場人物たちの人間としての確かな温もりと幸福感がこの劇場の中にはあふれている。公私ともにパートナーである緒川たまきと新たに結成した演劇ユニット「ケムリ研究室」の旗揚げ公演としての
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