真実の愛へと昇華するダイナミズムと映画へのリスペクトを込めた舞台表現を散りばめて、きらきらと光る宝物のようなミュージカルとして結実している…★劇評★【ミュージカル=ローマの休日(朝夏まなと・平方元基・藤|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
ローマという街には魔法がかけられている、とイタリアの隣国生まれの友人から聞いたことがある。もともと開放的な国民性があふれる土地柄もあるのだろうが、この街に来ると誰もが自分を解放したくなり、誰もが自分のタガを外してみたくなるのだという。神々もついつい人間の運命にいたずらを仕掛けてみたくなるのだろうか。王室の人間でがんじがらめのスケジュールに縛られている人ならなおさら解放への欲求が強まることもあるだろう。オードリー・ヘプバーンの主演で不朽の名作となった映画『ローマの休日』の主人公、アン王女はその代表格だ。なにしろ、真夜中に医師や随行員らの目を盗んで祭りに浮き立つローマの街中に忍び出てしま
note.com