歌舞伎町の複層的な歪みと猥雑さが観る者を戦慄の渦に巻き込む…★劇評★【舞台=ふくすけ2024 ―歌舞伎町黙示録―(2024)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
松尾スズキの芝居は「悪」が輝いている。いやしかし、それはニヒリズムやダークヒーロー礼賛が土台にあるからではなく、悪が生きることそのものであるからだ。その輝きがひときわ鮮やかな作品として知られる松尾スズキの名作「ふくすけ」が再演されている。しかも、新宿・歌舞伎町を舞台にしたこの物語が、その歌舞伎町で上演されることで、町が現代において新たに獲得してしまった複層的な歪みが土地に蓄積してきた猥雑な雰囲気と相まっていっそう物語の宿命性の根深さを際立たせ、観る者を戦慄の渦に巻き込む。ぶつけようのない怒りをたぎらせる中心的な登場人物を熱演する阿部サダヲと黒木華、ゆるぎない悪辣さを表現して余りある秋
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