刻まれる音、綴られる記憶 ~終わらない英雄物語と、始まる野良犬疑惑~ - 神の子が異世界化した現実を救うまでの果てしない物語 | TALES 物語・小説
父親のおさむが生きていた頃の、遠い記憶だ。ある晴れた日曜日。小学生だった俺――テンマは、野球のバットとボールを抱え、父の書斎へ足を踏み入れた。当時の俺は、まだ自分の感情をコントロールしきれない、ただの子供だった。「父さん、今日、学校休みなんだ。野球しようよ」机に向かったまま、父は振り返りもしない。「駄目だ、あっちへ行きなさい。父さんは忙しいんだ」翌週も、その翌週も、俺は冷たい拒絶に遭い続けた。「遊園地に行こうよ」「原稿がある。母さんに連れて行ってもらえ」父は作家道に魂を売った男だった。文学など、当時の俺には「食べられない無用の長物」にしか思えなかった。それでも、俺は父親の視線が欲しくて
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