夏目漱石『こころ』の先生は文学史に残る卑怯者である #1_2|光文社新書
早稲田大学・森川友義教授が恋愛学で読みとく「文豪の恋」。第1回『こころ』編の後編は、いよいよお嬢さんをめぐる先生とKの三角関係から、先生の自殺にまでいたる物語の6つのポイントを徹底分析します。 前編はこちら。 ポイント① 先生がお嬢さんに恋した時点で行動をとらなかったこと まず奇異に思えるのは、先生は、なぜお嬢さんに恋愛感情をいだいた時点で、デートに誘うとか告白するといった行動を起こさなかったのかです。この点について『こころ』の文脈を整理して現代的に解釈すると、漱石の主張はおそらく以下のようになります。 まず先生は、お嬢さんに出会うと、すぐに「恋愛バブル」が生じました。「信
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