日本社会の実相と多角的にリンク、衝撃的な作品をコクーンに持ち込み続ける赤堀雅秋…★劇評★【舞台=パラダイス(2022)】|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
 赤堀雅秋の作品が初めてシアターコクーンに登場した2014年。私はその作品「殺風景」の稽古場取材や新聞用のインタビューでこのカンパニーにある程度深く関与していたが、世間は赤堀がこの演劇の殿堂で何をやらかすか、戦々恐々としていたことをよく覚えている。その世間よりも一足早く、稽古場で作品を見ていた私は、「赤堀は本当にやる気だ。この世界観を、コクーンにぶち込むつもりだ」とまんじりともしない時間を過ごしたのだ。それから8年。赤堀は観客にとって衝撃的な作品をコクーンに持ち込み続けた。当初は2020年に上演するはずだったがコロナ禍で中止となり、今年2022年に上演された「パラダイス」で赤堀は、さま
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