早すぎる引退。「やりなおせるなら」の問いに彼は…中継ぎ投手という生き方|塩畑大輔
その喫茶店は、ただただ静かだった。 2020年12月中旬。 その日、仕事がオフだった僕は、吉祥寺の駅前にいた。 クリスマス直前の街は、コロナ禍を忘れたようににぎわっている。 ポインセチア。クリスマスリース。赤と緑が通りを彩っていた。 人が少ない喫茶店に入り、空席ばかりの一角に席を取る。 除菌ティッシュでテーブルをざっと拭くのはもう習慣になった。いすに腰掛け、スマホのメモアプリを開く。 コピペしていたリンクから、記事に飛ぶ。 書かれていたのは、ひとりのプロ野球選手がこのオフに球団から戦力外通告を受け、引退を決意するまでの経緯だ。 数日前のこのニュースは、驚きだった。 まさか彼が
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