暗夜行路 (新潮文庫)
祖父と母との過失の結果、この世に生を享けた謙作は、母の死後、突然目の前にあらわれた祖父に引きとられて成長する。鬱々とした心をもてあまして日を過す謙作は、京都の娘直子を恋し、やがて結婚するが、直子は謙作の留守中にいとこと過ちを犯す。 苛酷な運命に直面し、時には自暴自棄に押し流されそうになりながらも、強い意志力で幸福をとらえようとする謙作の姿を描く。用語、時代背景などについての詳細な注解を付す。 讃岐へ旅行をして屋島に泊った晩、寝つかれず、色々考えている内に、若しかしたら自分は父の子ではなく、祖父の子ではないかしらという想像をした。(略) 翌朝起きた時には自身それ...
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