【掌編小説】三番レジにいる永遠の少女|元宝 (一分間で学ぶ 成功者の教え)
 スーパーの店内に流れる安っぽいBGMと、バーコードを読み取る無機質な電子音。その喧騒の中で、彼女だけがどこか別のリズムで生きているようだった。  佐藤さん。年齢はたぶん、六十代の半ば。正確な年は知らないが、休憩室で漏れ聞こえる孫の話や健康診断の結果から逆算すれば、だいたいそのあたりだろう。彼女はこのスーパーで働く契約社員だ。  かつて彼女は「日配」の担当だった。毎朝、大きなカートに何重にも積み上げられたパンや菓子を、一つひとつ棚に並べていくのが彼女の仕事だ。朝一番の品出しは時間との戦いだが、彼女は山積みのクロワッサンやあんパンを前にしても、どこか楽しげだった。しかし、そこのチーフ
note.com