冬色の交換日記が溶けた日|三條 凛花
空の色が冬だった。ごくごく薄い水色。 今にも雪が降りそう。 個人懇談の時間が迫る中、わたしは長めのコートにふわふわのファーティペットを巻いて、自転車に乗っていた。ペダルを漕ぐたびに、耳元でしゃらりとイヤリングが揺れる。 小学校に着いた。 ドアの上にある「2-2」の看板を見たとき、一気に過去に引き戻された。 わたしも2年2組だった。 * * * * * ランドセルから鮮やかなピンク色のキャンパスノートを取り出した彼女は、そっけない感じでわたしに押しつけた。 うれしくなってその場で開き、固まった。 「リンカちゃん、交換日記しようよ」 誘ってくれた
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