少年王の不器用さもさらけ出す人間的造形の浦井健治と、時代を超えた慈しみ表す木下晴香、朝夏まなとの熱演もあってますます深み増したミュージカルに…★劇評★【ミュージカル=王家の紋章(浦井健治・木下晴香・大貫|阪 清和 (Kiyokazu Saka)
 タイムスリップものを創作する際に重要なのは、実は時代設定が「変化の時代」であるかどうかだ。外からの訪問者がたとえ新しい技術や知識をもたらす「進化の神」のような存在であっても、変化を受け入れない権力者や社会であっては、単なる異物として排除されたり、施政者を惑わせるために送り込まれた間者(スパイ)と思われたりするのがオチだ。その点、1976年から連載が続く姉妹漫画家ユニット「細川智栄子あんど芙~みん」による漫画「王家の紋章」を原作にミュージカル化された「王家の紋章」では、現代の女の子キャロルがタイムスリップしたのは、武器など金属で創る道具が青銅器から鉄器へと移り変わろうとしている時代、あ
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