邪魔(上) 新装版 (講談社文庫 お 84-12)
奥田英朗、初期の傑作にして大藪春彦賞受賞作!! その幸福は、本物ですか? ほんの小さなきっかけから、追い詰められてゆく人たち。 平穏な日々が、暗転するーー。 ドアホンを手に取ると「警察です」という男の低い声が恭子の耳に飛び込んだ。 心臓が早鐘を打つ。ドアホンを置く手が小さく震えた。 怖がることなんか何もない。 うちは貧乏でも金持ちでもない平凡な家庭なのだ。 何も起こるわけがないじゃないか。 妻を事故で亡くして以来、不眠症に悩まされている刑事・九野。スーパーのレジ係として働きながら子育て中の主婦、恭子。華やかではないが平穏な二人の日常が、ある事件を機に交錯し始めるーー。小さなほころび...
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