【掌編小説】40年越しの途中下車―不真面目だったあの日の僕へ。|元宝 (一分間で学ぶ 成功者の教え)
定年を迎えてからというもの、私の「曜日感覚」はすっかり迷子になっている。現役時代はあれほど愛おしかった金曜日も、今やただの「一週間の7分の1」に過ぎない。 そんな私は、今、近所の公園のベンチに座り、満開の桜を眺めている。平日の昼下がり、スーツ姿の人々が足早に駅へと向かう中、私だけが時間の流れから切り離されたように、ぽつんと座っている。 なんて贅沢な時間だろう、と思う。 見上げれば、吸い込まれそうな青空に映える薄桃色の花びら。風が吹くたびに、目の前の池の水面に桜の絨毯が静かに広がっていく。 「……そういえば、昔もこんなことをしたな」 ふと、40年以上前の記憶が鮮やかによみがえる。
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